お代官と越後屋日記 18第18話 死屍累々お代官と越後屋による犠牲者は派遣社員ダケではなかった。 小西は「俳優」が副業の大変楽しい人物であったが 越後屋攻撃により「アル中」となり長期休業となった。 船戸は主に徳島を担当するベテラン営業マンであったが 彼もまた越後屋攻撃により躁鬱病となり、通院・投薬治療を受ける羽目となった。 組合の分会長である岩田は何かにつけ越後屋や代官と対立する面が多く、とうとう営業の仕事を外され干されてしまった。 笠野は朝のミーティングで越後屋が 「訪問件数を上げる事が一番重要なミッションです」 と発言したのに対して 「一番重要なのは売上げを上げることであって、闇雲に訪問件数を上げても意味がない」 と反論したところ、大口ユーザを他の担当者に変更されてしまった。 なにせ個別面談と称して行われる打ち合わせで行われるのは営業成績の数字の羅列と変なツッコミだけである。 「その案件、いつ売上げ上がるの?どうやって決めるの?いつ決めるの?それじゃダメじゃない!それじゃ目標達成しないよ!もっと頑張れよ。今日の夕方までにどうやって売上げあげるかもう一度考えてきてよ。」 で終わってしまう。 そんな事はメールで聞けば充分である。 聞きたいの営業戦略である。 売上げを上げる、決めるために具体的にはどうやっていくのか? いくつものプランを立て、それについて議論し戦略を決めていき実行する。その結果によりまた戦略を見直したり立て直したりしていく。その中で上司には適切なアドバイスを求めたいのである。 おまけにお代官や越後屋は記憶力がないので 打ち合わせ時に各人は一から説明しなくてはいけない。 ストレスは蓄積し続け不満は闇の中を渦巻きまくるのであった。 |